ひびのこと

　この前、リュウヤが、公文に行くのが嫌だって言った。

月曜日と木曜日が公文、火曜日がピアノ。土曜日はスイミング。放課後友達と遊べるのは、水曜日と金曜日。

スイミングは家からだけど、ピアノと公文は、学校からお店に帰ってきて、おやつを食べて、それから一人で自転車で教室まで通う。

友達は、学童に通う子、習い事してない子、してる子、部活をしてる子、いろいろなので、リュウヤも、『いろんな子がいる』って感覚はあるみたい（あ、学校で仲がいい子は、スイミングと公文してる）。

それでも、他の子が習い事がない日に、自分だけ行くのが嫌なのか、疲労か、なんなのかわかんないけど、あの日は１時間以上も、ぐずぐずぐずぐず言っていて、自転車に乗っても漕ぎ出さず、ぐるぐるぐるぐるお店の前を回って、

「なんで行かないといかんの？」
「遊びに行きたいんよ。」
「今日ぐらいいいやん。」

を、連発。

「体調が悪いとか、熱があるとかだったら仕方ないけど、どこの世界に『遊びに行きたいなら、習い事やすんでいいよ』って言う親がおるんよ。月謝払ってるんよ！なんやと思っとん！？公文の先生とかお友達とかが嫌いなん？なんか嫌な事があるなら言ってみぃ！！」

「・・・・・好き。」

「やろ！？行くまではしんどいけど、行ったら行ったで楽しいけん。けっこう、そんなもんよ。ママも、今日は朝しんどくて起きれなかったやろ？でも、ちゃんとお店来てるやろ？(その日、どうしてもしんどくて起きれなかったので＾＾；）ママだって、しんどい時もあるけど、やることやりよんよ。リュウヤ！ここで、公文行かなかったら、家に帰ってテレビ見ても、絶対嫌な気持ちになるんよ。頑張って行ったら、楽しい気持ちでテレビ見れるよ。」

「そんなことないわい！！楽しくないわい！！」

「それは、頑張った奴にしかわからんのよ！頑張った後にしかわからん気持ちがあるんよ！！！はよ行け！！！！！！！！！！！！！！」

と、青春ドラマのような会話・・・・。ダセーっつーか、『どの口が言ってんだ？』とか、思いながら・・・・リュウヤに言いながら、自分に向かって言ってたな、確実に・・・・・。

『頑張った後の気持ち』かぁぁ。わかりてーー

そんなこんなで、その日は公文に送り出すまでに１時間かかった。

５時頃お店を出て、公文が終わったら６時半。もう暗いので迎えに行ったら、笑顔で教室から出てきたリュウヤ。

「どうだった？」

と聞くと、

「楽しかった！！」

だって。はぁ、そうですか。よかったよかった。

「頑張った後の気持ちはどう？」（聞きたい！聞きたい！どんな気持ち！？わくわく　いとこゆき風）

「うん！よかった！！」

・・・・・・。まぁ、そうですよねー。その笑顔が物語ってますよ、ほんま。

　昨日、リュウヤが宿題するのが嫌だと言った。

でも、『頑張った後の気持ち』を知ったリュウヤは、嫌々ながらも宿題やってたよ。昨日も『楽しい気持ちになった』らしい。

そっか、頑張る事は、楽しい事なんだねー。すごーい。



はぁ。『親』って、疲れるなぁ。

自分の事はさておき、言う事は言わないといけないし。

あの日はたまたま、予約がなくて、こっちの精神状態も落ち着いていて、ぐずぐずの１時間に付き合ってあげることが出来たってだけで・・・・。普段なら、適当にジュース買ってあげるけんとか言って、行かしたりしちゃってたかも。そしたら、また違うんだろうな。



『お母さん、子供の信号を見逃さないで下さい。』

よく聞く言葉だけど、かなり見逃しちゃってるかもしれないな。
子育ても、タイミングだな。
ま、全てにおいて、そうだろけど。


今のところは、勉強も運動もできないけど、まぁ、シンプルに育ってると思うけど春から３年生だし。９歳かぁ。価値観が出来てくるなぁ。どんな価値観を持つんだろうか・・・。同じだったらいいけど(付き合いやすいから）・・・・・・・。

リュウヤ、普通の事ができる子になってください。
勉強できなくていいから（つーか、全然できないけど・・・・）。

それが、難しいんだけどね。頑張って普通にしてるだけで、ママ、普通じゃないし。
ま、リュウヤの今の『気持ち』を持ち続けられる、環境作りだな。
そんくらいは、頑張ります。

With　love


あ、そういや、

「ママは、お店とバンド、どっちが好きなん？」

って、最近よく聞かれる。

「両方！」

って答えるけど、いまいち理解できないみたい。
バンドの事は、『習い事』って、言っとこうかな。いや、『部活』かな！？『部活』だな。うんうん。